鵞足炎

膝の内側の鵞足(がそく)といわれる部位に痛みが出ることをいいます。鵞足は太ももから膝にかけて走っている、薄筋・縫工筋・半腱様筋の3つが脛(すね)の内側についている部位をいいます。

この部位には滑液包(かつえきほう)と呼ばれる、小さなゼリー状の袋があり、骨と筋肉等の軟部組織の摩擦を軽減するクッションとしての役割があります。この滑液包に炎症が生じることで痛みが出ることを鵞足炎と呼ばれます。

鵞足炎はランニング動作やジャンプ動作などの膝の屈伸運動が多く起きることで痛みを生じやすいです。

初期は膝の曲げ伸ばしで症状が違和感が出ることが多く、ウォーミングアップをして身体があたたまってくると痛みが楽になりますが、症状が進行してくると、ウォーミングアップ後にも痛みが出るようになり、運動後や安静時にも痛みが続くようになります。

痛みが出る要因としては使い過ぎや柔軟性不足、ランニングフォーム異常、アスファルト等での硬い路面等が挙げられます。

症状の出始めのころは走りはじめの頃に痛みが出て、身体が温まってくると痛みが和らぐことがあります。その後、症状が悪化してくると身体が温まってきても痛みが継続するようになります。

症状の初期の段階で、練習後のアイシング、セルフケア(太ももの前側や内側、足の裏のマッサージ・ストレッチ)や、運動量のコントロールをすることで症状が軽減することもあります。

症状が軽度の場合は鍼治療・マッサージとストレッチで改善されることが多いです。

痛みや違和感が出ている部位を中心として太ももの前側・内側を中心に筋肉の柔軟性を高めていきます。セルフケアの方法をお伝えしますので、同時に行なっていくとより効果的です。

この段階ですと、痛みをコントロールしながらスポーツ活動を継続することも可能なことが多いです。

症状が強く、日常生活やスポーツ活動に支障が出る場合は一度、スポーツ活動の中断をし、治療に専念することをおすすめすることが多いです。

症状に応じて鍼治療・マッサージ・ストレッチで痛みの改善を行います。その後、再び同じように症状が出ないように痛みが出ている周囲の柔軟性改善、足関節・膝関節・股関節等の動きの改善もおこなっていきます。